鳥3

鳥4

鳥2

鳥1

教育人間塾と札幌自由が丘学園主催の、公開シンポジウムに行って来ました

本日エルプラザで開かれた公開シンポジウム『公教育と不登校問題』に行って来ました。前北海道教育大学長の村山紀明氏と、教育行政学がご専門の北海道大学教育学部研究院準教授の横井敏郎氏の発表の後、およそ90分に渡って討論がありました。フロアからも教師,フリースクール関係者、親の会、保護者、若者自立支援に携わる人(札幌市若者サポートステーション  HPがあります。ぜひ一度ご覧ください。15才から概ね39才までの若者の就労や自立の支援を行っています。様々なプログラムを動画で紹介しています。また、家族の相談も受けているとのこと)など、様々な立場から発言がありました。

不登校のテーマは本当に複雑なので、今日も他者の発言を聞いていて色々思うことはあったのですが、まずはこのように集まって議論を継続していくこと自体に意味があると思いました。


一つ今日の会で触れられなかったことで気になることがあるので、ここで書いておきます。それは、「引きこもり70万人」という内閣府発表の記事が、読売新聞で一面トップを飾るなど大きな話題となっていますが、今回の統計によれば、意外にも小中高での不登校がきっかけとなったひきこもりは、全体の11.9パーセントだということ。最も多かったのは「職場になじめなかった」「病気」で共に23.7パーセント、「就職活動が上手くいかなかった」が20.3パーセントです。このことは、少なくとも高校卒業まで不登校を経験しなかった子どもたちも、社会へ飛び立つ段階での躓きから、引きこもるようになるという事実があるということ。この事実も、じっくり考えないといけない重要なテーマだと思います。

不登校経験者のどのくらいが引きこもりに移行するのかは、新聞記事を読む限りでは発表されていないようですが、私などは、個人的には、こんなふうに思います。不登校の経験は言わば、子どもが早い段階で経験する人生初の挫折と言えば挫折―思い通りにいかないという経験という意味で―で、そこから紆余曲折を経て復活した子どもたちは、就職や就労が初めての挫折ではない分だけ、社会に飛び立つ過程での苦労も、逞しく乗り越えられる子も多いのでは、と感じています。何人かそういう子を知っています。


今日の亀貝さんの話や横井さんの話にも出てましたが、なんらかの理由で不登校になって―大抵は幾つも複雑に絡んでのことだと私は思いますが―元気を失ったりしても、例えば、札幌自由が丘学園の高校などで過ごすうちに、見違えるほど元気を取り戻す子たちがいる。良い環境や人との出会いと、ゆったりした時間があれば、元気になる子が大勢いるのではないでしょうか。そのようにして復活した子は,
復活に至る過程で、認められる場と人を得、困ったことがあれば、一人で抱えないで人に相談することができるなど、10代で苦労した分だけ、人生に立ち向かう武器を身につけることができるのではないかと思いますし、そのような経過をたどって欲しいと、私は願っています。