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『西の魔女が死んだ』で、おばあさんが言っていること

札幌市でまた中学生が自ら命を絶ったという報道を聞いて、とても悲しく残念に思います。昨日このことで、今は大人になった私の子どもと、話していました。中学生の頃読んだ本の中で、非常に印象に残っている箇所があり、今回の報道を知って、思いだしたようです。

私の子どもが思い出したのは、『西の魔女が死んだ』でおばあさんが言っていたこと。それは、根本的な解決なんて、中学生くらいの子にはまだ無理(作品の中では、新米見習い魔女には無理、という表現)、ということです。

主人公のまいは、クラスの人間関係で辛い状況になり、不登校に。パパの転勤を機に、転校という選択肢も生まれます。自分で選ばなくてはならない。そのような時、まいは、おばあさんに次のように言います。

「たとえ転校してあのクラスから抜け出せたにしても、一番根本的な問題は解決しないんだよ。だから、何か素直に喜べないのよね。敵前逃亡みたいで、後ろめたいんだ」

それに対して、おばあさんは、「根本的な問題なんて、まいのような新米の魔女見習には、無理ですよ。この場合の根本的な問題は、クラス全体の不安ですからね。クラスのみんながそれぞれ不安なんですよ」さらに、「そ時々で決めたらどうですか。自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要は全くありませんよ。・・・」

中学生くらいの年齢では、まだこう考えるのは難しいのかもしれないが、うちの子くらいの年齢の大人になると、こう考えることができるようになります。まず、逃げる。それからゆっくり考えればいいんだよ、と。繰り返しになりますが、中学生くらいの年齢では、そのことは、プライドに関わるが故に、そのように思いつくことも、考えることも、難しいですよね。ですから、代わりに周囲の大人誰かが、伝えてあげないと。その時々で大事なことは、異なるはず。辛い状況の時は、取りあえず、学校を休むなど空間移動することもありで、そのことは、決して弱いのではなく、正しい判断であり、賢明なことであることを伝えることが、すごく大事だと思います。「命の指導」に加えて、学校でも言えないものでしょうかね・・・。