鳥3

鳥4

鳥2

鳥1

教育フォーラムの話も書かないといけないのですが、その前に、今日の宮本太郎さんのお話から

講演から少しメモしてきました。自分用なので、わかりにくいかもしれませんが、多少雰囲気が伝われば良いのですが・・・。



放送大学教授宮本みち子さんと北大大学院法学研究科教授宮本太郎さん。このお二人のお話を前々から聴いてみたいと思っていた。宮本みち子さんのお話を聴く機会が先週予定されていたものの、震災の後だったので、中止に。でも、今日、宮本太郎さんのお話を「福祉フォーラム2011」で聴くことができ、とても勉強になった。まず、こちらの報告から。

テーマは「参加と居場所づくりの社会をめざして」 

・今、人々のつながりが失われている。  居場所―つながり

・例えば・・・災害から何を学ぶべきか・・・災害を免れた人もいるが、しかし、災害は誰にでも起きること。

・今までは、「健常な男性稼ぎ主の安定的人生」に焦点を合わせた社会の仕組みがあり、これを安定させることで社会を維持していたが、これが今の時代根本から壊れている。これまでの日本社会は、1.健常な男性稼ぎ主と、2.なかなか自立できない人々と、はっきり分かれていて、2の社会的に弱い立場の人に、集中的に保障があてられていた。しかし、今は社会保障は一部の人たちのためという考えがもう成立しない。例えば、はっきりと発達障害を持つ人と、グレイゾーン障害の人を合わせると、200万人と言われている。二つに分ける区別化?がこれまでは政策の元になっていたが、もうあてはまらない。もはや、障害者と健常者の二つに分けることは意味がない。就業者・失業者という分け方も成立しない。安定的な人生と不安定な人生に分けられない。

・三重構造(会社の縁つまり社縁・家族など血縁・地縁)   血縁が社縁にぶらさがっている感じ。血縁も地縁も社縁に収束されているというような。

・社会的リスク・・・もはや一部の人にかかわるものではなく、皆にかかわるものだ。例えば、失業や心の不調もこれにあてはまる。

・成長論と幸福論の転換 危うい基盤の上での「モノの幸福」でも空虚な「ココロの幸福」でもない、生活保障の基盤の上での「つながりの幸福へ」



・結びつきの弱まり  友人や仕事を越えた知人とどれだけ会うかというOECDの調査では、日本が断然トップで「まれにしか会わない」が多い。

・大事なつながりの一つ結婚・・・結婚もできなくなっている。30代の未婚率急増。

・災害から何を学ぶべきか・・・助け合いの社会を作るための条件づくりを考えなければならない。ダメ―ジを最小にして、安全な社会を。

つながり・・・居場所づくり

・これからの社会保障は人々が生活できるように支援する生活条件の保障

・幸福に暮らすための条件を研究することを、幸福研究と言う。

・これからの幸福・・・もの・お金よりつながり。お金、物はある程度までは重要。人々の生活や幸福を変えていく。ところが、ある程度得ると、幸福感に影響しなくなる。ある程度物・お金を得た人には、「つながり」が幸福感に関係ある。人の幸福を高めていく一番大事なことは、人々のつながり。

・震災後人々の連帯は強まっているのではないか。経済的にダメージを受けても,連帯感が強まっていけば、日本社会は力を発揮するだろう。

イースタリングの逆説・・・日本人の幸福度について。経済成長がある段階に達してからは、幸福度は上昇していない。生活の発展と幸福度は、比例していない。

・年齢があがるごとに減少する日本人の幸福感。アメリカなどは、幸福度はU字型。

・いくら失業手当が入って来ても、幸福感にはつながらない。

・居場所が要る。そして、できるなら、社会参加。社会に貢献できたという感じを持ってもらう。→地域社会に決定的な力となる

・ボランティアは、幸福度を高める。テレビを長時間見と幸福度が下がる、という調査もある。→社会的孤立の証

・地域社会でどうつながっていくのか。

・現役世代をささえる。仕事に就くことは幸福度を高める源。居場所とともに、できれば翼の保障も。翼の保障とは、社会に参加できることを保障するという意味。これは、自治体でやること。札幌市は20代の女性が最も多い市。しかし、就業率は高くない。秘められたパワーがあるはず。

・砂場でデビューや公園デビューはイメ―ジは悪いが、実は若い母親たちのつながりは強まっている。例えば、子育てサロンで行政が支援。新しいつながり  人々がやむを得なくてつながるきっかけを、背後から行政が支援。つながりはむしろ、子育てで必要性があったことで、新しいつながりを生んでいる。このようなつながりを、必要縁という。北星学園大の杉岡教授は、やむを得なくてつながる縁→やも縁と呼んでいる。

・つながった先の雇用を作る