次女が五月雨登校中の中3の頃に、けっこう本を読んでいました。その中の一冊に梨木香歩の『裏庭』があります。娘はこの本を、最近また読んでみたそうです。そして、前回読んだ時から数年を経て読んで言うことには、もしかしたらこの本に書いてあることが、今不登校中の子どもたちや、その親たちの役に立つかもしれないと言うので、私が聞きとってここにUPすることにしました。この本を読んでいただくの一番いいのですが、彼女が「このことを知ってよかった」と思った言葉―レイチェルという登場人物の言葉なんですけど―を書きとめてみたいと思います。今本が私の手元にないので、表現は不正確ですが、彼女の話と記憶から拾ってみますね。もちろん、彼女の了解済みです。
娘の話から
梨木香歩の長編小説『裏庭』(新潮文庫)のテーマの一つは、人の心の傷つきと再生だと思う。レイチェルは 人間は自分と異質のものが入って来ると、そういうものが自分を傷つける。そして、それを取り入れて生き延びようとする時、そういうことが唯一自分を変化させたり、強くしたり、成長させるという意味のことを言っている。また、傷を持っているということは、「飛躍するチャンスである。だから、傷ついている期間を十分に取った方がいい」と語っている。
娘は、心細くなった時に、次の箇所を読むことにしているのだそうです。「人間の生体は、勝手に立ち上がるように出来ている」。これもまたレイチェルの言葉ですが、これを読み、「あ、そうなんだ!」と思ったのだそうです。これこそ、本当に一番の希望だと思ったそうです。「例えば、こういうことを中学生が知っていたら、だいぶいいんじゃない?」と娘は言っています。
傷を持っていることは、飛躍のチャンス。なるほどねえ。後から振り返ると、そうだなあと思い当たること、ありませんか?